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人と超人 (岩波文庫)

によって バーナド・ショー


3.8 5つ星のうち(3人の読者)

人と超人 (岩波文庫)オンラインブックダウンロード - 全人類が身心ともにすぐれ完全な社会を作るためには活発な生の力が必要である。

人と超人 (岩波文庫)の詳細

本のタイトル
人と超人 (岩波文庫)
作者
バーナド・ショー
ISBN-10
4003224612
発売日
1958/1/1
カテゴリ
ファイルサイズ
18.26 (現在のサーバー速度は27.8 Mbpsです
以下は 人と超人 (岩波文庫) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
1925年ノーベル文学賞を受賞したイギリスの劇作家バーナード・ショーの作品です。個人的に最近、ショーペンハウアーとかニーチェとかあの周辺の本を読んでいたので<超人>というワードに敏感になっており、長年積ん読していた本書もタイトルに引かれて手を伸ばしてみました。いやはやー、読みにくかったです(笑)。いちいちハードルが高いというか戯曲がこんなに読みにくかったのはひっさし振りでした。まず台詞が一つ一つ長い。ピンターの6倍はあります。しかもショーの思想をある程度理解できていないと言葉の意味が取れず、難しく感じます。シェークスピアの台詞は詩的だしふざけた所も多いので長くても読んでいて楽しいのですが、ショーの長台詞、また人物造りはとにかく理知的で皮肉っぽいのでちょっと草臥れます。こういうと語弊があるかもしれませんが登場人物皆に<裏>があるというか、誰もが自分の意志とは違う何かの力に動かされているという感があるので、読んでいる方は絶えず正確に人物像を捉える努力を求められ神経を使うのです。主人公タナーの台詞は特に皮肉や機知に溢れつつショー哲学の表明という印象で、人間の描写というより、本当に思想の表現としての戯曲であるという感じがしました。また、作中にモリエールの戯曲『ドン・ファン』を下敷きにした場面が出てきますが、これは『ドン・ファン』を読んでいないと、何故石像が出てくるのか等、意味不明でしょう。ともあれ、ショーの唱える<生の力>というものはショーペンハウアー哲学の<意志>、またその影響を受けているニーチェ、ワーグナーの思想の系譜の先にあるものというのは感じましたので(ニーチェの名前は作中に出てきさえします。またショーはワーグナーを崇拝していたようです)、ショーペンハウアーやニーチェ、ワーグナーをある程度読んでから手にして正解だったなとは思いました。全体の印象は辛口でモームにやや近いですが、より奥行きがあるというか思想が深いと思います。ショーとはどういう人なのかと気になりちょっと調べてみましたが、社会主義結社フェビアン協会の中心人物であり、文学による社会改良を目指すという熱い面があったり、ノーベル賞の受賞を一度拒否していたり、遅咲きの苦労人作家であったりかと思えば、新しいもの好きで主張をコロコロ変えがちという話もあり。「世界最大の改革者は,自分自身の改革を始める人たちだ」、「物分りのいい人は自分を世の中に適合させる。わからず屋は自分に世の中を適合させようと頑張る。だから、全ての進歩はわからず屋のおかげである」、「情熱なき人は善人にも悪人にもなれず」等の熱い名言を残す一方で「男はずるがしこい。女の最初の男であろうとする。でも、女はもっとずるがしこい。男の最後の女であろうとする」「できるだけ早く結婚するのが女の務め、できるだけ結婚しないでいるのが男の務め」等ナナメ系名言も残している(でも本人は愛妻家だったようですし、知的女性のためのパンフレットも書いているので、女性に批判的な人という訳ではないようです)。また優生学を信じていたということで、彼の女性観の特殊さはその辺からきているのではとも思います。作中で、詩人の描くロマンティックな女性像を否定的に描き、男と女それぞれの特性に基づいて相応しい役割を果たすべきというような考えが見えるのは、ショーが男と女に対して生物学的な角度を持っていたからでは、と。個人的には一理ありと認めつつ、少し窮屈というか恐い感じもしましたが。ともあれ分かりにくい人だなあと思いました(笑)。でもまあ、基本は真摯な現実主義者なのかなと・・。そんな一言では語れない人間・ショーが興味深い作家であることは間違いありません。また別の作品も読んでみたいです。

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